ブキバト「ブキティマがやられたようだな」

シンガポールの地下鉄の駅名は他言語が混在していて面白い。中国語もマレー語もタミル語も話せないから、電車のアナウンスを聞くたびゲームとかアニメの世界にいるような気分になって妄想が膨らむ。そんなわけで今日は脳内の民明書房に収録されている語彙の一部を、ここに書き写しておこうと思う。

 

 

「ブキ」四天王

ブキバトブキティマがやられたようだな」

ブキゴンバ「ククク....奴は四天王のなかでも最弱....」

ブキパンジャンキングアルバートに負けるとは、ブキ族の面汚しよ・・・」

【解説】シンガポールにはブキのつく地名が多い。 マレー語で丘の意味らしいが、蛮族としか思えない。同じ流れでプンゴルカシューも夷狄っぽい。ブキティマには、もともとマレー鉄道の駅があったそうだが、2011年の廃線で無くなってしまった。最近、跡地の近くにキングアルバートパークという地下鉄の駅ができた。残りのブキ族もまた、アルバート王の騎士達に征伐されるのだろうか。

 

「チュカン」兄弟

【解説】ヨー・チュカンチョー・チュカンの宦官兄弟。武力に劣るも、権謀術数に優れ、皇帝に隠れて私腹を肥やす。観客のヘイトを集めて、最終回の前くらいに死ぬ。

 

竜騎士「セラングーン」

【解説】インド出身の幻獣使いによって組織された帝国騎兵部隊の長。皇帝の直参として仕え、紫の翼竜を駆る。竜騎兵を意味するドラグーン、およびセガサターンの名作シューティングゲームパンツァードラグーンから妄想。

 

名剣「ブラスバサー」「テロックブランガー」「タンジョンパガー」

【解説】濁音がついてて語尾が伸びると、どこかエクスカリバー的なものを連想してしまう。テロックブランガーはハーバーフロントにほど近い住宅街、ブラスバサーは現代美術館のあたり。タンジョンパガーはリー・クワンユーの生前の地盤なので、強い(確信)。

 

大量破壊兵器「ポトンパサー」「ブーンレイ」

【解説】フォトン(光子?)やレイ(光線)に似た言葉を含むことから、未来の光学兵器を連想してしまう。あと平沢進の曲も思い出す。Pasirはマレー語で砂の意味だけど、人によってパシと発音したり、はたまたパシーやパシルだったりして、正解はよくわからん。

 

ブラックマーケット「ダコタ」

【解説】ダコタと聞いて思い浮かぶのは、アメリカの州ではなく、スーパーファミコンバトルドッジボール 闘球大激突! 」のストーリーモードに登場するダコタ星だ。手に汗握るリーグモードとは裏腹に、ストーリーモードはとにかく退屈。そのせいで、ダコタ=闇という印象が20余年たっても拭えない。実際のダコタは住宅街で、おいしいホーカーもあり、良いところです。

 

富野アニメに出てくる「何か」

 【解説】富野由悠季のアニメには耳慣れない響きの言葉が多く登場する(ア・バオア・クー、ゲルドルバ、ギドマックなど)。シンガポールの地名も耳慣れないものが多いから、そこに元ネタがあっても違和感ない。

世界の中心がロンドンであり続ける理由

今年の夏にロサンゼルスへ行くことになった。現地での仕事は楽しみだけど、あの横柄なアメリカの入国審査と、シンガポールからLAまでの旅路を想像すると、今から気が滅入ってくる。

シンガポールからアメリカへ行くには、東アジア(東京・北京・ソウル・台北など)を経由して、あわせて20時間以上かかる。サンフランシスコまでの直行便を使う手もあるが、それだと15時間も外の空気が吸えない。

シンガポールにとってアメリカは、地球の裏側どころか別の世界だ。そう思ったとき、ふとシンガポールを中心とした正距方位図法の地図が見てみたくなった。Googleで検索すると、任意の都市を中心とした地図の作れるサイトが見つかった。下図が、その出力結果だ。

f:id:exyk:20170508191702p:plain

こうしてみると、東南アジアとオセアニア、インドと中国あたりが、シンガポールの近隣諸国と言えそうだ。北米は欧州より遥かに遠く、南米に至っては世界の果てだ。日本は近隣とは言い難く、福岡は北京と同じくらいの距離だけど、東京はソウルよりも離れている。

そんな東京はどうかと言えば、シンガポールからと比べて、アメリカの西海岸にずっと行きやすい。

f:id:exyk:20170508193733p:plain

じゃあシリコンバレーの中心・サンフランシスコはどうだろう?これがなかなか悪くない。近場にはアメリカしかなく、ちょっと離れたところに欧州と南米、東アジアの主要都市が分布している。ゴーイングマイウェイで生きるには良さそうな場所だ。

f:id:exyk:20170508194554p:plain

それがニューヨークを基準にすると、アジアが全くの別世界となって、やや偏りがでる。ワシントンを中心にすると、さらにアジアが遠い。

f:id:exyk:20170508195128p:plain

じゃあロンドンを基準にしたら?

f:id:exyk:20170508195547p:plain

これがグウの音も出ないくらい、世界の中心でした。

イギリスの立地良すぎ。そして、流刑地イギリスから遠すぎ。

ひとくちに研究職といっても、4つくらいの職分がある

f:id:exyk:20170426201616p:plain

久々に西堀栄三郎の「忍術でもええで」を読んだら、(自然)科学的なアプローチばかりが研究じゃないんだぞ、と大いに励まされる表に再会したので、改めてエクセルで書き写した*1。各項目の詳細については、ぜひ原著を読んでもらいたい。約40年前の本とはいえ、今なお通用するであろう新製品開発の名著です。

ひとくちに研究職*2といっても、4つくらいの職分がある。そこに気づかなかったり、混同したりすると、悲劇は簡単に起こる。それぞれの職分は等しく尊くて、得意な仕事に専念できたら、それは何より素晴らしい。最近の自分は、上の表でいう応用研究に専念できていて、大変嬉しい。有難い機会を頂いてるなと思います。

*1:というのも、10年くらい前にも一度、パソコンで書写したから。

*2:研究所の所員と言った方が適切か?