バゲット作りにハマる

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3週間くらい前から、バゲットを焼くのにハマっている。そもそも僕は、バゲットが好きだ。洋食を食べに行くと、メインディッシュの前に出されるパンで、つい腹をいっぱいにしてしまう。その一方で、僕は長い間、バゲットは家庭で焼けないもの、と思い込んできた。しかし調べてみると、普通のパンより材料も少なく、手数も少なくできることが判明した。そんなわけで、週末になるたびに焼いて、4回目になる。

現在、材料と分量はクオカを参考に、1度に3本分を焼いている。

recipe.cuoca.com

シンガポールで製菓材料を買うなら、奮発(Phoon Huat) だ。友人にブオナビスタの駅下にある巨大な奮発を教えてもらってからは、そこで材料を買っている。小麦は、Bob's Red Millというヒゲ親父のものを、モルトは奮発のプライベートブランドレッドマンを使っている。土みたいな色をしているので、仕上がりもくすんだ色になるが、味は悪くない。なおモルトを入手するまでは、砂糖を代わりに使っていた。

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シンガポールは温度が30度、湿度が90%前後なので、水分量だけは気をつけたい。生地をこねる時は、いきなり全部加水するのではなく、少しずつ足していくといいと思う。クオカの分量でいえば、およそ90-95%くらいの水で足りる。

ちなみに我が家では、パン生地をこねる時はティファールのミキサーを使っている。こちらで市販されているハンドミキサーは、安い機種でもパン生地をこねる用のニードルと、ミキサーと連動して回転する台座が付いてくる。余りパワーはないが、500gくらいの小麦粉を生地にするくらいはできるし、なにより汗だくにならずに済む。

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だいたいパン生地ができたら、ボウルに入れて、ラップして、冷蔵庫のなかで一晩放置して発酵させる。これをオーバーナイト法というらしい。

一晩たったら、パン生地が2倍くらいの大きさに膨らんでいると思う。ここからは、クックパッドの人気レシピに従って進めていく。

cookpad.com

ところで、パン作りで一番難しいのは、生地の状態の見極めだと思う。ベトベトしているのは、普通なのか、失敗なのか、判断基準がわからないうちは不安になる。そのあたりは、この本に非常に詳しく書かれている。ぜひ参考にしてほしい。

また成型の手さばきは、文字で読んでもわかりにくい。なのでYoutubeで検索して、先人たちの巧みな技を参考にした。

www.youtube.com

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一次発酵の終わった生地は、1本200g弱に分割して、20分のベンチタイム。

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その後、綿棒などを使わず、指を使って長方形に押し広げていく。部分的に気泡があったりして、ナンのような雰囲気がある。

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長方形になったら、丸め込んでコロコロする。太さ長さはオーブンのサイズにあわせる。

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すると蠕動運動しそうな物体ができる。正直、ちょっとキモい。

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成型が終わったら、オーブンの予熱を開始しつつ、30分くらい二次発酵させる。二次発酵が終わったら、包丁でバゲットらしく切り込みを入れ、しっかり霧吹きで湿らせて、化粧塩のように小麦粉を振り、オーブンで250度・20分焼く。すると、こうなる。

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炊きたてのご飯が美味しいように、焼きたてのバゲットは、すごく美味い。バターをつけるともっと美味い。オーバーナイト法でやれば、寝起きから90分後には焼きたてのバゲットが食べられる。最高じゃないか。

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夕飯の残りのコロッケを挟んだら、最高が極まった。

ステラークは笑う

5月20日から、マリーナベイサンズ併設のアートサイエンスミュージアムHuman+という展示が始まった。その関連イベントでステラーク(Stelarc)の講演があったので、友人たちと行ってきた。

ステラークを知ったのは、ちょうど10年くらい前のことだ。出展したイベントのパンフレットに、サイバネティックアートの草分として、Third Handが掲載されていた。

その後、同じ作者が腕に耳を埋め込んだり釣り針で身体を吊り上げたりロボットにダンスさせられたりしているのを知って、びっくりした。サイバネティクスは、一方向からの切り口にすぎなかった。むしろオーストラリア在住だけあってMAD全開だった。そんな氏の狂気の片鱗は、笑い声にも現れていた。

ステラークが「んむふふふ」と笑うたび、会場はどよめき、そして笑うほかなかった。久々に、一撃を感じた講演会だった。面白かった。その日は高須さんチームラボの展示を案内してもらったりもして、総合的に刺激的な1日だった。

 

最後に宣伝。2017年の新作ができました。どうか、ご笑納ください。

子分と舎弟の違い

Kindle Unlimitedに、登場人物の顔が全員ゴルゴ13という伝説のヤクザ漫画「日本極道史」があったので読み始めた*1。この漫画を読むまで、僕は子分と舎弟の違いについて、全く理解してなかった。アニキとオジキも年齢からくる違いだと思っていた。実際は、こんな感じだった。

  • 子分
    親分の部下。子分の取りまとめ役が若頭。親分が引退した場合、組織の継承権がある。

  • 舎弟
    親分の弟分。親分が子分だった時代の同僚というケースが多い。舎弟の取りまとめ役が舎弟頭。親分が引退した場合、組織の継承権はない。

  • アニキ
    ヤクザは組織の内外で義兄弟の盃を交わす。弟分から兄分への呼称がアニキ。

  • オジキ
    親分の子分から親分の舎弟に対する呼称。

ほか日本極道史には「手本引」という博打がよく出てくる。手本引に限らずヤクザの商売は違法・無法なものばかりだ。それを可能にするのは、身体的・社会的に人間を傷めつけるパワー(暴力)だ。ヤクザの世界は個人の裁量が大きいため、とかくパワーが暴発しやすい。だからこそ筋や仁義が不文律となる。

なお筋と仁義が通じない相手との抗争は、日本極道史・平成編に登場する。魔悲夜と書いてマフィアと読む。こちらも読み放題で読めるし面白い。

ボブ・ディランが「法の外で生きるには、実直じゃないといけない」と歌ってたけど、ヤクザの世界こそ、そうかもしれない。ファクト(事実)よりリアル(現実)やトゥルース(真実)が重視される社会は、誠実さが求められるものなのだろう。

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*1:初期は噂通りのゴルゴっぷりで、組長も若頭も殺し屋も髪型以外は全員同じ。前後のコマをチェックしないと、誰が誰だかわからなくなってしまう。とはいえ世界観やストーリーに妙な魅力があって、中期以降は顔のバリエーションも増えて読みやすく、気づいたら30巻くらいまで読んでしまった。バイオレンス100%だけど、おすすめです。