ノートパソコンを金継ぎした

laptop kintsugi

3年前にASUSのX205TAという格安ノートパソコンを買った。以来、出張や展示で酷使したせいで、とうとう樹脂製の筐体が欠けてしまった。そこで、欠けた部分に金継ぎを施すことにした。ちょうど割れたコーヒーカップを直すために、道具を買ってあったのだ。

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今回の金継ぎは、かんたん金つくろいブックを参考に、真鍮粉と新うるしとタミヤのエポパテを使った。なので正しくは「金継ぎ」ではなく、「真鍮繕いもどき」である。欠けた部分にパテを盛り、硬化したらカッターと紙やすりでパテを削る。そこに真鍮粉を混ぜた新うるしを塗れば完成。実作業時間は1時間もかからなかった。

laptop kintsugi

作業前は仕上がりが不安だったけど、想像以上にかっこよくなった。マットなボディに金色が映えて、惚れ惚れするくらい渋い。古の美意識は、現代の生活にも応用できると知れて、嬉しかった。

こんなポスターが欲しい

plastic model

プラモの箱が棚に積まれているだけのポスターが欲しい。子供の頃に憧れた、模型屋に住むという夢を叶えたい。上の写真は手持ちのプラモで作ったプロトタイプ。積みプラモには心理的/視覚的な圧迫感があるけれど、平面になるとスッキリする。さしあたって1/35の戦車、1/48の戦闘機、あと1/700の艦船をコンプリートしたポスターが作ってみたい。静岡の模型会社さんにお願いしまくったら、作らせてもらえたりするのだろうか?同じ発想で岩波文庫が全巻揃ったポスターも欲しいので作りたい。

MATさいでりあ

先週末にMedia Ambition Tokyo 2018が閉幕した。作品を見てくれた皆様への御礼と、展示に携わった方々への謝意と、無事に終わったことへの安堵で、胸がいっぱいだ。

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PHOTOGRAPH BY KOKI NAGAHAMA/2018 GETTY IMAGES

今回の展示は、自分にとっては青天の霹靂で、昨年末にいきなり決まった。そもそも六本木ヒルズにはORFくらいでしか行ったことがなく、Media Ambition Tokyoは自分がシンガポールに渡ってから始まったこともあり、どういうイベントか見当もつかなかった。いろいろ考えた上で、2017年に作った2作品を置かせてもらうことにした。

自分の作品は、東京シティービューの東側、展望台でも細まった順路に置かれることになった。それが、旅館の渡り廊下に工芸品が飾られているみたいで、ちょっと面白かった。ガジェットの実装先は、公共空間よりも私生活にあるから、自分にはふさわしい場所だと思えた。そしてなにより、朝日を仰ぐ場所だったのが良かった。

自分はよく日の出的・日の入り的という観点で表現や技術を捉えている。日の出的というのは、始まりの終わりであり、不安と同じだけ希望を抱えているものだ。日の入り的というのは、終わりの始まりであり、安堵とともに高揚を覚えるものだ。甲乙をつけるものではないが、いつだってAmbitionは曙光とともにある。

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設営最終日・2月8日の朝焼けと、朝日を見つめるCD Prayer。展示初日は、ユニコーンの「服部」がプレイされていた。

それにしても、こんなに多くの人が来てくれるとは思わなかった。自分は岐阜で育ち、藤沢で学生時代を過ごし、そのあとすぐシンガポールに渡ってしまった。だというのに、高校や大学時代の仲間をはじめ、シンガポールで出会った友人たちまで足を運んでくれた。学生時代の恩師・脇田先生には同じ展示者として再会できたし、尊敬する久野ギルさんにいたっては大仏のためにSix Strings Sonics, TheのCDをお貸しいただけた。感激しかない。

会期が終わってしみじみ思う。主催者も、来場者も、展示者も。みんな東京が好きなのだ。もちろん僕も大好きだ。大好きな街だから、離れるときは、少し寂しかった。そんな街のドレスアップに、日々のリフレッシュに、MATは咲いていたのだろう。

春はもうすぐだ。