腰痛ベルトに救われた

30歳を過ぎたあたりから、ギックリ腰に悩まされるようになった。運動意欲が消えるほど忙しく、休日を眠って過ごしたり、ストレスを食で発散させる日々が続くと、決まってギックリ腰がやってくる。今回は最悪なことに、バンクーバーへの出張前日にヘビーな奴がやってきた。一晩で回復するわけもなく、出張当日の夜明けはジンジンと熱を持ち、ベッドから立ち上がるのも難しかった。そこで生まれて初めて腰痛ベルトのお世話になった。

最初に買ったのは、バンテリンのサポートベルトだ。臍の下あたりで、これでもかというくらい締め付けてやると、歩いたり座ったりするのが少し楽になった。内臓が締め付けられる苦しさはあったけど、腰の痛みに比べれば屁でもないので、気にならなかった。この腰痛ベルトと、パナドール*1のおかげで、カナダまでのフライトを乗り切ることができた。

腰痛ベルトが効く理由は、あまり良く解明されてないらしい。腰部の動きが制限されるので、いたずらに患部を傷つけずに済むのはありそうだ。それと締め付けによって腹部の密度を上げることで、上半身を支える筋肉の負担を減らせるのかもしれない。

さて。バンクーバーについてからも依然として腰は痛み続けた。もちろん日に日に良くはなってはいた。しかし立ち止まって話なんかをしていると嫌な感じがやってくる。今回の出張の目的は学会での口頭発表だった。壇上で踏ん張るために、より強力そうな腰痛ベルトを現地の薬局で買うことにした。

Futuroのベルトは幅広な分、背骨から腰骨を満遍なくホールドしてくれて安心感がある。また2種類のベルトで締め付けるので、腹部を苦しめなくても、腰部に密着させることができる。肌着のような色はかっこ悪いし、購入価格はバンテリンの2倍ほどしたけど、装着時の快適さは圧倒的によかった。なので、以降はこのベルトをつけて過ごした。おかげで学会発表と、帰りの飛行機、そして日本での夏休みをエンジョイすることができた。

Amazonだと、この両者が同じ値段で売っている。腰に不安がある人は、腰痛になる前に買っておいて損はないだろう。僕のおすすめはFuturoだ。次の出張や旅行の際にも、絶対に携帯すると思う。

*1:シンガポールをはじめアジア・オセアニア圏で人気の鎮痛剤・Panadolは、1日4,000mgまでアセトアミノフェンが摂取できるように設計されている。含有量がパブロンの約4倍なので、とにかく効く。

失っても、生きる

メガロボクスというアニメが面白かった。あしたのジョー50周年を記念した1クールのアニメで、かつて「ジャパニメーション」と呼ばれた作品がもっていたクールさがあり、毎週、ほんとに楽しみに見ていた。今井レオのオープニングテーマもかっこよかった。

megalobox.com

登場する外骨格ギアの必然性については賛否両論あると思う。いや否定意見の方が多いだろう。メガロボクスとは、外骨格型パワードスーツ(通称ギア)を開発する財閥企業が、軍事転用を見据えたテストベッドとして主催する、ボクシング風の興行だ。それなのに、ギア付きの選手が生身の人間に、ことごとく負けてしまう。しまいには、財閥企業の専属ボクサーすら、ギアを外して戦い始める始末。

人間と機械によるスポーツと聞いて、僕らはF1やボブスレーのようなものを想像しがちだ。アスリートとエンジニアとコーチが一体になって、勝利にひた走るイメージを思い浮かべる。だがそうしたスポーツの多くは、スピード競技(もしくは演舞)、いわば「人 vs 神 (≒物理法則)」の戦いだ。

人と人とが拳を交わすメガロボクスにおいて、むしろギアは拘束具のように描かれていた。そもそもボクシングのグローブは、双方にダメージを与えすぎないためにある。プロが素手で殴りあえば、選手として再起不能になってもおかしくないのだ。

しかし、後先を考えずに強い・弱いを競うなら、ボクサーとはいえ素手ごろで戦いたいのではないか?ましてメガロボクスでは。いくらプロの選手でも、ギアの七光で勝ったと観客に言われては、誇りが得られまい。

メガロボクスで描かれる拘束具は、ギアだけではない。市民権がない、借金がある、両親が死んだ、選手生命が潰えた。こうした負の拘束を背負う人物がいる一方で、恵まれた生まれゆえに拘束から逃れられない人物も登場する。みな望むと望むまいと、自らの拘束と戦うことになり、そして取り返しのつかないものを失っていく。

それで彼らは真っ白に燃え尽きてしまったのだろうか?

答えはノーだ。「戦って、死ね」とは往年のジャパニメーションスプリガン」のキャッチコピーだが、最新のジャパニメーションメガロボクス」はそうじゃなかった。人は「失っても、生きる」のだ。戦って失うことは、人生に敗けることじゃない。そして人生は、勝手一人で終えるものではないのだから。

本当にいい作品だった。関わったスタッフの次回作が楽しみだ。

深圳製のカメラレンズを買った

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先月は誕生月ということで、珍しく色々物を買った。そのうちの一つが、深圳の七工匠(7Artisans)が販売するマニュアルレンズ・25mm F1.8 MFTだ。シンガポールの通販サイトだと、送料込みで8,200円くらいだった。

F1.8だけあって、よくボケる。花を撮るとこんな感じ。

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ピントがあってるところは、なかなかシャープに撮れる。

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ただボケはあまり綺麗じゃない。背景が複雑だと、グルグル・ザワザワして気持ち悪い。

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夜景から焦点を外すとこんな感じだ。

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絞り込んでやると風景写真にはいい。写ルンですで撮ったような雰囲気だ。

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【感想】このレンズの魅力は、新品なのにオールドレンズの味と雰囲気が楽しめるところだ。安いから雑に扱えるのもいい。鏡筒も金属製なので、傷すら味になる。正確さを求めるなら、1万6千円で買えるパナソニックの25mm F1.7がいいだろうし、ボケを求めるなら、中一光学やコシナの25mm F0.95を買ったほうがいいと思う。ただ、週末のお出かけにカメラを持っていくときには、そこまでガチにならなくてもいいよね。シャッターチャンスなんて逃したっていい。だって明日も歩く道だから。そんなときに、このレンズいいなって思います。

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