岐阜は自転車が楽しい

10月から岐阜で生活している。岐阜市は公共交通機関が乏しいが、橋を除けば平坦なので、街中の移動は自転車でことが足りる。それを見越して、愛用の折りたたみ自転車を預け荷物で飛行機に乗せ、シンガポールから岐阜まで持ち帰ってきた。

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自転車で散策することを、ポタリングというらしい。シンガポールにいる時は、汗を噴き出さずに自転車をこぐことができなかったので、その楽しさがまったく理解できなかった。秋の岐阜を走るようになって、ようやくその気持ち良さを知ることができた。

自転車の楽しさのひとつに、調子が悪くなった部品を自分で交換できる、という点がある。僕の折りたたみ自転車は、去年の夏あたりから、漕ぐたびにコツン・コツンと音がなるようになった。どうやらBB(という部品)の調子が悪いらしい、というところまでは突き止めたのだが*1、いかんせんシンガポールは暑いし、部品も工具も輸入しないといけないので、部品を交換しようという気にもならなかった。

それが今は、なんの不自由もない。Dahon HorizeのBBは軸長114.5mm。シマノのカートリッジ式BB(UN55 軸長115mm)と工具一式をAmazonで揃えて、自分で交換することができた*2。交換後は異音もなくなり、ギア1段分くらい軽くペダルがこげるようになった。

岐阜に帰ってほどなくして、妻の分の折りたたみ自転車も買った。見た目が綺麗で、値段も手頃だったので、生活には事足りるだろうと思って買った。しかし一緒に走ってみると、妻の自転車は自分のより圧倒的に遅かった。原因はギア比で、同じ回転数でペダルを漕いでも、妻の自転車は僕の2/3しか前に進めない。

この失敗でようやく知ったのだけど、それなりに値段のする自転車は、楽に速く走るためのギアや部品が最初からついている。そして、安いけど筋がいいとされる自転車は、あとから部品の交換がしやすいように作られている。今回買った自転車は、あまり筋が良いとはいえないみたいで、妻には少し申し訳ない感じ。それでも改善策はあるみたいで、前のギアを46Tから53Tに変えて、あわせてペダルとチェーンを交換したら、お互い無理せず良い速度で走れるようになった。BBも回転が渋かったので、早いうちに自分と同じものに変えてしまっても良いのかもしれない。

自転車について調べれば調べるほど、折りたたみ自転車が道楽だということを痛感する。世の中には、折りたたみ用の専用部品なんてほとんどなく、ロードバイクやマウンテンバイクの部品を流用して、なんとなく乗れる自転車を作るしかない。これはクロスバイクやミニベロも同じだけど、より小さく複雑なだけ、折りたたみは面倒も多い。そういう筋が悪く、底が浅く、いろいろ面倒くさいところに、僕は自分が重なって見えて、妙な親近感を覚えている。

*1:BBのメンテナンスを依頼すると2週間くらいは症状が落ちついたため。

*2:ただし右ワンだけは自分で外せなかったので、近所のあさひにお願いして、わずかな作業賃で外してもらった。

スリランカ旅行の方法

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9月末でシンガポール国立大学を去った。いい機会なので、日本へと帰る前にスリランカを旅行することにした。きっかけは、前職にスリランカ人の同僚が多くいたからだ。彼らがみなナイスだったので、スリランカへの興味が8年をかけて醸成された。そして、ついにチャンスがやって来た。スリランカは、控えめに言って、最高だった。

みんなも是非スリランカに行って欲しいから、今日は旅の方法を、まとめておこうと思う。ちなみにガイドブックは地球の歩き方とアルコを持っていった。個人的にはアルコがおすすめ。下記の情報はガイドブックの補完として利用してください。

都市間移動

スリランカは素敵な国だが、鉄道網が全土に広がってない。特にシーギリヤなど古代遺跡を尋ねるには、車を使って行くしかない。そこで移動手段として考えられるのは、およそ次の3つだと思う。

  1. グループツアーに参加して、ワゴン車で移動する
  2. バックパッカーとして、鉄道・路線バス他で移動する
  3. 空港で旅行日数分のハイヤーを手配し、専属のドライバーと共に旅行する

1は、旅程が過密になったり、好きなものが食べられなかったりするので、パス。2は、格安に移動できるが、大きめのスーツケースをもってるから無理。3は、相性の悪いドライバーに出会うと、旅全体が嫌な気持ちになってしまいそうで、不安。そんなわけで今回は、都市を移動するたびに、長距離タクシーを手配することにした。

  • 1日目:パンダラナイケ空港→キャンディ
    空港の制限ゾーンを出てすぐにあったタクシー会社で相見積もりを取り、Casonsにした。新型のプリウスで3時間・6500ルピー。
  • 3日目:キャンディ→ノリタケ工場経由→ダンブッラ(4時間半・7,000ルピー)
  • 4日目:ダンブッラ→シーギリヤ&ポルンナルワ→カンダラマ(6時間半・8,000ルピー)
  • 5日目:カンダラマ→コロンボ市内(4時間半・12,500ルピー)
    以上3日間の移動はTaxi Sri Lankaを使い、各前日に配車予約した。スリランカには、Taxi Sri Lankaは、スリランカ各地域のタクシー会社を仲介してくれるサービスだ(と思う)。類似のサービスとして、Get Transfer.comBroom Broom Taxiがあるけれど、Taxi Sri Lankaが圧倒的に安かった。なにより価格表が掲載されているのがいい。日中なら、問い合わせのメールを送って、1時間くらいで見積もりが提示されるので、レスポンスも悪くないと思う。配車される車は決して新しくは無いけど、型落ちのカローラ程度だから、特に不満はない。ドライバーも、毎日いろんな人がやってきて、面白い。チップは、毎回300から500ルピーくらい渡した。文句があるとすれば、支払いが現金・ルピー払いなことくらい。

市内移動

市内移動は、トゥクトゥクが圧倒的に楽しい。なにより土地の風を感じることができるし、オイルくさい車内や、坂道で悲鳴をあげるエンジン、カーブでたわむボディ、妙にけばけばしい内装が、いちいち愛おしいんだけど、ドライバーとの価格交渉だけは面倒だし、ぼったくられてるような感じが常に拭えない。そんなときにPick Meという配車サービスが役に立つ。操作感はUberと同じで、クレジットカードで支払いができ、トゥクトゥクにも乗れる。コロンボほか、大きめの街で使える。注意すべきは、雨天時・ラッシュ時のつかまえにくさと、稀にシステムが不安定なこと、くらい。コロンボ市内から空港にもいける(高速代は別途払う必要がある)。 あとUberも使えそう。

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SIM

パンダラナイケ空港の制限ゾーンを出ると、通信会社がSIMを売っている。自分はAirtelの通信7ギガ・通話30分・700ルピーのSIMを買った。山間部での移動中は電波がとれなかったけど、それ以外は普通に使えたので、不満はない。

アーユルヴェーダ

本格的なアーユルヴェーダをうける時間はなかったが、コロンボスパ・セイロンで、額にオイルをだらだら垂らす「シロダーラ」というトリートメントを受けた。シロダーラは午前中にやるべきものらしく、午後12時以降の施術は受け付けないとのこと。要予約。

腰痛ベルトに救われた

30歳を過ぎたあたりから、ギックリ腰に悩まされるようになった。運動意欲が消えるほど忙しく、休日を眠って過ごしたり、ストレスを食で発散させる日々が続くと、決まってギックリ腰がやってくる。今回は最悪なことに、バンクーバーへの出張前日にヘビーな奴がやってきた。一晩で回復するわけもなく、出張当日の夜明けはジンジンと熱を持ち、ベッドから立ち上がるのも難しかった。そこで生まれて初めて腰痛ベルトのお世話になった。

最初に買ったのは、バンテリンのサポートベルトだ。臍の下あたりで、これでもかというくらい締め付けてやると、歩いたり座ったりするのが少し楽になった。内臓が締め付けられる苦しさはあったけど、腰の痛みに比べれば屁でもないので、気にならなかった。この腰痛ベルトと、パナドール*1のおかげで、カナダまでのフライトを乗り切ることができた。

腰痛ベルトが効く理由は、あまり良く解明されてないらしい。腰部の動きが制限されるので、いたずらに患部を傷つけずに済むのはありそうだ。それと締め付けによって腹部の密度を上げることで、上半身を支える筋肉の負担を減らせるのかもしれない。

さて。バンクーバーについてからも依然として腰は痛み続けた。もちろん日に日に良くはなってはいた。しかし立ち止まって話なんかをしていると嫌な感じがやってくる。今回の出張の目的は学会での口頭発表だった。壇上で踏ん張るために、より強力そうな腰痛ベルトを現地の薬局で買うことにした。

Futuroのベルトは幅広な分、背骨から腰骨を満遍なくホールドしてくれて安心感がある。また2種類のベルトで締め付けるので、腹部を苦しめなくても、腰部に密着させることができる。肌着のような色はかっこ悪いし、購入価格はバンテリンの2倍ほどしたけど、装着時の快適さは圧倒的によかった。なので、以降はこのベルトをつけて過ごした。おかげで学会発表と、帰りの飛行機、そして日本での夏休みをエンジョイすることができた。

Amazonだと、この両者が同じ値段で売っている。腰に不安がある人は、腰痛になる前に買っておいて損はないだろう。僕のおすすめはFuturoだ。次の出張や旅行の際にも、絶対に携帯すると思う。

*1:シンガポールをはじめアジア・オセアニア圏で人気の鎮痛剤・Panadolは、1日4,000mgまでアセトアミノフェンが摂取できるように設計されている。含有量がパブロンの約4倍なので、とにかく効く。