2019年に買って良かったもの

新しい街に引っ越し、新しい場所で働き始めたので、今年はいろんなものを買った。そのなかで特に良かったものを列記しておこうと思う。

 

工具: イノウエのカーボンはがしヘラ

2019年に買った工具で一番よかったのは、イノウエのカーボンはがしヘラだ。3Dプリンタで造形したものをプラットフォームから剥がすときに使っている。十分硬いので、力をいれても刃がなまらないし、金属製のヘラと違って台座を傷つけることもない。FDM式のAnycubic i3 MegaDLP式のAnycubic Photonの両方で使っている。何本あっても良い。レジンをかき集めるために買ったラバーヘラも良い。イノウエのヘラをコンプリートしたくなってきた。

 

PC関連: LG 27インチ 4Kディスプレイ (USB-C接続)

13インチのMacBook Pro 使っていると、ことあるごとに画面の広さが足りなくなる。そこでLGの4Kディスプレイを買った。USB-Cケーブル1本で充電と画面出力が同時に行えるので大変便利だ。画質にも文句がない。スタンドは形が悪く机を占有するが、VESAアームをつければいい。あまりに良いので自宅と職場とに1台ずつ置いた。いつでも同じ解像度で作業できて良い。デスクトップはいらない。

 

家具: プラス Ovalチェア(≒ ガレージOCチェア)

椅子を選ぶのは、完璧にフィットする革靴を選ぶくらい難しい。家具屋のショールームを何箇所も巡って、最終的に選んだのはPlusのOvalチェアだった。

kagu.plus.co.jp

Ovalの良いところは、まず見た目と座り心地の優しさ。アーロンチェアなどのメッシュチェアは視覚的にも触覚的にも主張が激しく、オフィスはまだしも自分の暮らしに馴染まない。次に座面が前傾すること。書き仕事や工作のように前かがみで作業をするときは、前傾できたほうが腰への負担がない。ファブリックの素材感からか、ホコリなどがつきやすいの玉に瑕だけど、すごく気に入っている。

 

ファブリック

www.nitori-net.jp

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日本を離れてるうちに、ニトリが悪魔的進化を遂げていた。特に帝人と組んだ機能性繊維がすごい。光は通すけどシルエットは見えないレースのカーテンとか、冷感が持続して寝苦しくないシーツとか。しかも決してダサくない。新生活のファブリックは全てニトリで揃えたが、かなり快適だ。

 

 

参考

exyk.hatenadiary.com

終わりか始まりか

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 2019年が終わろうとしている。現職は夏季休暇が1ヶ月と短いぶん、学期末がくるのも早い。授業も今週でほぼ終わった。あとは試験と採点が残るのみで、声を張る必要はない。

教員としての最初の一年は、ほぼ授業準備と研究環境の整備へと費やすことになった。1回の授業を作るのに、実習は1-2日、講義なら2-3日は必要だった。教科書だけでなく、一般書や図録や論文を読み込み、適切な画像や映像を収集し、それをスライドにまとめていくと、無限に時間がかかり、休日が消える。研究環境の整備も同様だ。いろんな人の助力を得ながら、ようやくラボ(写真上)も形になったが、廃墟同然の状態からここまでくるのに半年近くかかった。

物を作るときは、時間と情熱がいる。まだ世にないものを作るときは、尚更だ。それは教育も一緒だと思う。時間を湯水のように使い、情熱を惜しみなく注ぎ込んではじめて、理想の学舎はできるのだろう。

さしあたって2019年は、毎日が筋肉痛のような状態だった。スポーツ自体は楽しくても、自分に見合った技術や体力がなければ、肉体が悲鳴をあげる。それと同じように、教育自体は喜びに満ちていたが、そのための準備や経験が不足しているため、あらゆることに対して余裕がなかった。余裕がないと何がまずいか。仕事上の理不尽なこと、人生のままならないことに出くわした時、溜め込んだストレスを発散させる余裕すらなくなるのだ。今年はそれで疲弊した。せめて意気投合できる仲間や、メンターになる人が職場にいればいいのだけど。

働き始めて10ヶ月。日本に帰って1年余。ようやく新しい物が作れそうだ。ここまで本当に長かった。

exyk.hatenadiary.com

混ぜあうことの面白さ

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すっかり鍋の季節だ。先日も家で鶏野菜みそ鍋をやったのだが、うっかり〆のネタを買い忘れてしまった。冷蔵庫にはうどんがひと玉。これだと二人で食べるには物足りない。めぼしい食材といえば、パントリーに素麺が1束あるくらい。

ふむ、じゃあ両方とも入れてみるか。ということで試してみたら、これが正解。味と食感の違いが豊かさを生み出して、最後まで美味しくいただけた。異種麺をミックスする発想は、シンガポール生活で得たものだ。福建風海鮮焼きそばのホッケンミーは、玉子麺(イエローミー)とビーフンをミックスする。単麺だと単味でつまらない。複麺だから複雑で面白い。その知恵が日本でも活かせて、とても嬉しかった。

シンガポールにあって日本にないのは、混ぜあうことの面白さなのかもしれない。生一本を有り難がったり、一体感や和を求めたりするのは、異なる価値が並存することを恐れているのだろう。