メルポ「知覚の現象学」

メルロ・ポンティの「知覚の現象学1・2」を読んでいる.しかし古典は言葉だけで説き伏せるから理解しづらい.まぁ個人が言葉しか自由に扱えなかった時代の作品なので仕方ないのだが.さて本文.「人の世界への存在の仕方は,身体に在る心臓がごとく」といった記述に膝を打つこと多数.某教授が抱くデカルト的・線形的・決定論的な思想でつくられた「もの」への苛立ちも,きっとここらへんにあるのだろう(苛立てば苛立つほど宗教論争になってしまう気もするが).しかし「メルポ曰く〜」と語れるほどに理解したとは到底言えない.だから手放しで同意もできない.血肉となるには時間がかかる.今はざっと眼を通し,脳内にインデックスを作るにとどめよう.四月に個人研究費が開いたら,古本を購入して書架にいれておこうと思う.