遊びを誤解しないために自戒の念.

1:カイヨワが提唱した「アゴーン・アレア・ミミクリ・イリンクス」は分類と見なされることもあるが,決して百科事典的な分類ではない.遊びによって得られる精神性を整理したものと捉えたほうがいい.境界は曖昧なところが多く,往々にして複数の要素を併せ持っている.

これを使って既存の遊びを厳密に分類していくと,必ずどこかで破綻する.そしてその破綻は,クリエイターやプレイヤーにとって,あまり重要ではない.

2:ホイジンガーカイヨワの流れで生まれた遊びの定義は,遊びを遊びたらしめる条件であって,遊興性を導出する必然条件ではない.面白さは,別のところにある.

3:遊びには,現象学的な思想で設計すべきところと,形而上学的に設計すべきところとがある.遊びによってウェイトの違いはあれど,相補して面白さを作るので,両者を切り離して考えたり,安易に片方のみを選択するのは良くない.

4:新しい遊びは流行りもするし,廃れもする.これは社会と技術と絡み付いている.そしてこの2つの要素が,遊びの優劣を決めることもある.その優劣に一喜一憂するかは否かは,作り手の立ち位置による.