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ソナチネ

これまた鑑賞を先延ばしにしていたので.

北野武のギャング映画はフラグをたてずに人が死ぬ.そこに僕はリアリティを感じている.人間の不幸は突如としてやってくるものだ.老衰や病死のように生から死へのグラデーションを描けるとは限らない.気がついたら死んでいた,なんてことがザラにある.北野映画は死の瞬間に生まれる衝撃と,衝撃に直面することでおこる茫然とした状況を,ギャング映画というツールを使って描く.

かつてビートたけしは厳かなるもの(権威・著名人など)を驚異的な速度の話術で壊し,笑いを生み出した.映画監督北野武は,その次を行く.厳かとされる生命を,一瞬の凶弾によって破壊し,そこから生まれる笑うしかないような状況をカットの中に封じ込め,ブルーとしか良いようのない無常を生み出している.

では,なぜそのような作りをするのか.それはまた,別の話.

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