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5時くらいに眼を覚まし、二度寝して、9時に再度眼を覚ます。そして久々に風呂に熱い湯を張って、思い切り汗をかく。運動とはことなる気持ち良さがある。茹だった身体は、風呂を出てもいっこうに冷めない。吹き出す汗を拭きながら、一冊の本を読む。空想科学大戦。僕が高校の頃に一世を風靡した空想科学読本の漫画版。なんとなく本棚から取り出したのに、読みだしたら懐かしさがこみ上げる。気がついたら最後まで熟読してしまった。

空想を遮る科学の壁、もとい物理現象の壁は、僕もしばしば作品を作るうえで痛感している。特に風螺では苦い思いをした。最強のファンで最軽量の布を舞わせるという、矛盾の故事にも似た装置になってしまったときの無情。その悲哀を裏返し、笑いに繋げようとした試みは、まさに空想科学大戦そのものだ。

ようやく身体も冷めたので、服を着て、今度は岡本太郎の本を手に取った。自分の中に毒を持て。これは確か修士課程2年頃に買った本。これを読み返して、芸術の批判性というものをやっと得心した。今日の芸術は社会に対する批判が期待されている向きがある。だが、この現代に、芸術のみによって批判が可能な社会はあるだろうか(いやない)。岡本太郎は、芸術が批判すべきものは芸術家自分自身だ、と言う。僕はそこに大いにうなずく。人は生きていくうちに高い高い壁を心に作ってしまう。その壁によって、人は可能性を限定し、新たな挑戦を妨げてしまう。その壁を打ち砕かんとする情熱が、芸術もとい様々な逸品を生み出すのだろう。博士論文のために防御壁を作っていた僕にとって、これはグサっとくる言葉だった。だからこそ得心できた。今日は新たな誕生の日だ。

そして今日は、リアルな誕生日でもあった。なんと従兄弟にベビーが生まれたんだ。彼が健やかで美しい人生を送れるよう、僕も微力ながら応援したい。がんばれ、赤ちゃん!

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