失われた時を取り戻すかのように、古本屋で大友克洋の漫画を集めている。
高校の時分、僕は大友作品が好きだった。ただしリアルタイム世代ではなかった。きっかけは森本晃司が手がけたケンイシイのPVだった。そこから劇場版のAKIRAと遭遇し、OVAのMEMORIESで完全にハマった。次は漫画を制覇だ。そういきたかったんだけど、入手手段がなかった。当時はブックオフもしょぼく、ネット通販もなかった。だから近所の古本屋での偶然の出会いに賭けるしかなかった。結局手に入れられたのは、童夢と気分はもう戦争の2冊だけだった。でも、その2冊が本当に良かった。
あれから10年。岐阜に戻って3ヶ月。なんの因果か大友作品とよく出会うのだ。テレビを見ていたら面白い映画がやっていた、くらいの感覚で、手にとって読んでいく。
そして一冊読み終わると、また次の一冊に出会う。そして気づく。岐阜で読む大友作品は、妙に面白いのだ。それはきっと、人間の土着さと街のスカスカ感に、アリアリとしたリアリティを感じるからなんだと思う。岐阜で読むなら、どれもおすすめ。他の街では、知らん...