屋台飯

シンガポール料理とは屋台飯である。屋台の飯はボリューミーでとにかく安い。だいたい3〜5Sドルで満腹になる。しかも街の至るところに屋台村がある。その頻度は東京のコンビニと同じくらい。故にこの国で飢えることは有り得ない。だがしかし、屋台飯が必ずしも食べて幸せになれる料理かというと別問題。経済大国シンガポール。安いにはそれなりの訳がある。まして屋台飯は、エスニック料理の骨頂。必ずしも外国人の舌にウェルカムとは限らない。さらには屋台の数が多すぎるが故に、毎食がロシアンルーレット的な状態。当たりを引けば万々歳。されどハズレを引けば終日ブルー。気づけば毎日、同じ店で同じ料理を食べる始末。シンガポールに住みはじめて1ヶ月を過ぎた頃、僕は屋台飯にほとほと疲れてしまった。中国人に言われるまでもなく医食は同源。食事で困憊するとは生き地獄。この状況を打破してくれたのがマカンストラ。屋台に特化したミシュランガイド(もどき)。この本を手にして以来、僕は毎食が楽しみで仕方がない。なぜってそれは、この本が信頼できるから。とにかくハズレない。リスクが減ると、チャレンジの敷居も低くなる。経済学者に言われるまでもない。そして今晩も美味しいChar Kway Teowに出会うことができた。もうマカンストラを手放せない。