読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

前略 ギレルモ・デル・トロ様

まずはパシフィック・リムという素晴らしい作品を、私たち世界中の映画ファンに届けてくださったことに、大変感謝しております。私は去る7月14日にシンガポールで本編を見ることができました。その緻密な世界設定に冒頭から引きこまれ、最初から最後まで鳥肌が立ちっぱなしでした。二人乗りの巨大ロボで迫り来る怪獣をぶん殴る圧倒的なカタルシスといったら、比肩するものがありません。菊地凛子演じるマコの仕草にも、オタク心をくすぐられました(特に黒い傘が最高!)。誰がなんと言おうが、2013年最高の映画だと思います。本当に有難うございました。

ただ、ただ1つだけ、監督にご進言さし上げたいことがございます。それは劇中に登場するロボット、ジプシー・デンジャーの手首に装備された蛇腹剣の構造についてです。実は、私も日本の特撮とアニメに多大な影響を受けたものとして、2011年より蛇腹剣の実現に挑戦してきました。そして、開発の最初期には、監督と同様に機甲界ガリアン方式を採用していました。

(上記映像、50秒目から蛇腹剣が登場します。)

しかし、大小いくつかのプロトタイプを制作した結果、この構造では相当量の張力が必要になると判明しました。もちろん、ジプシー・デンジャーを開発する技術力があれば、巨大な張力を生み出すパワーソースとアクチュエーターに困ることはないでしょう。それでもなお、より効率のいい方法があれば、余剰のリソースを新たな怪獣退治に割くことができます。戦いは常に優位に進めたいものです。私たちは、さらに幾つかの方式を試し、最終的に縦横蝶番方式によって蛇腹剣を実現いたしました。

Ninja Track 2012 from yuichirock on Vimeo.

私たちが制作した構造体(ニンジャトラックと呼びます)は、2cm角の小片を縦横に蝶番で連結しています。通常状態では横方向に柔軟ですが、縦方向におりこむことで堅固な棒状となります。映像中の蛇腹剣は、たった1個のサーボモーターで柔軟性を切り替えています。この構造体であれば、ジプシー・デンジャーは、さらに凶悪な怪獣とも渡り合えるでしょう。次回作のご参考にしていただければ幸甚です。

Ninja Track for Games

今週末には、いよいよ日本でも封切られると伺っています。私の友人達もはやる心を抑えるのに必死です。
興行のご成功をお祈りいたしております。
http://wwws.warnerbros.co.jp/pacificrim/

草々