また自転車を買った

僕はあまり物を買わないんだけど、シンガポールに来てからクソみたいな自転車を2台も買ってしまった。1台目はアレオカのマウンテンバイクで、値段の安さと雰囲気に惹かれて買ったんだけど、重くて疲れるから乗らなくなった。2台目は中華メーカーの折りたたみ電動自転車。1年半ほど乗ったんだけど、作りと組み立てが悪くてトラブルが頻発。販売店の整備があてにならないので、ほとんど自分で修理した。スポークも張り替えた。おかげで自転車に詳しくなったが、電装系が二度壊れたところで心が折れた。

日本にいると、物を買って「やられた!」と思うことがない。安かろう悪かろう、ということがない。すべてにおいてコスパが良すぎて、ブラック過ぎやしないか心配になる。一方でシンガポールは安物買いの銭失いが現役で、僕は二回も自転車で失敗した。なので、今度はよく調べて、ある程度お金を出すことにした。

用途は往復4kmの通勤。職場までは坂だらけなので、軽くてギア数が多く、名の通ったメーカーの自転車なら、まず問題ないだろう。ネットで調べると「坂道ではロードバイクが最強。というか、舗装路ではロードバイクが最強。それをよ〜くわきまえた上で、ジャイアントのエスケープがコスパ最強」という意見と、「小径車は遅い。くわえて折りたたみは重い。全体的に割高。その上、折りたたむ奴なんて皆無。道楽者の選択」という意見を多く目にした。自転車に詳しい友人も、エスケープを勧めてくれた。

そんなわけで、まずブキティマにあるジャイアントの販売店に行ってみた。だけど、しっくりこなかった。アレオカのマウンテンバイクよりずっと精密な感じがするし、フレームの形状は見るからに先進的だし、踏み込んだら踏み込んだだけぐんぐんスピードが出る。ただ実用一辺倒すぎて、これに5万も出すのかと思うと、財布の紐がきつくなった。

であれば真逆の方向に振ってみようと思って、折りたたみ小径車の専門店に行った。そしたら殊の外、楽しかった。店員に予算と用途を伝えると、ダホンとターンというブランドを勧めてくれた。いくつか試し乗りをした結果、弧を描いてるフレームよりも、直線的なフレームのほうが気持ちよく走れた。特にダホンのボードウォークとホライズが好みだった。乗り心地は甲乙つけたがったけど、見た目の好みでホライズにした。

自転車屋から帰る坂道で、早速ロードバイクに抜かれた。なるほど、舗装路ではロードバイク最強である。一方で、僕も気に入った自転車が買えて最高だった。

それから自転車通勤を始めて1週間になるんだけど、電動自転車に慣れた体に自力自転車は辛いです。筋肉は毎日悲鳴をあげてる。でも1ヶ月くらい苦しんでいた腰痛がハタと消えた。自転車すごい。それと折りたたみ機構は、けっこう使える。シンガポールは時々スコールが降るんだけど、そんな時は折りたたんでバスに乗っちゃえばいい。気楽である。

そんなわけで、ネットの意見は鵜呑みにせず、お店にいって試乗して、自分が欲しいと思った自転車を買うのが一番だと思う。