学問の自由

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教員として働き始めて、この春で3年目になる。初年度は授業準備で、次年度は遠隔対応などで苦しんだから、今年はちょっとだけ、余裕を感じている。

ところで、研究所で働いていたころ「教員なんかなるもんじゃないよ。教員になったら、やりたいことやれないよ」という話を、日本の教員たちからよく聞いた。でも、実際のところ、そんなことはなかったと思う。前職では「やりたいことをやらせてもらえない」ことや、「やりたくないことをやらされる」こともあった。研究員は研究予算で雇用されるため、出資者や予算執行者の意向に沿って研究しないといけない。シンガポールのように小さく強い国だと、その傾向が尚更強かった。一方、教員は違う。職責を果たせば、自分の裁量で研究ができる。研究の質が問われることはあっても、研究の内容や方法に制約は受けない。自由な時間は減ったかもしれないが、学問の自由が確保されている。

自分で確かめないと、真実はわからないものだ。今のところ「教員になってもやりたいことはやれる」こと、そして「日本の教員は不平不満が多い」ことは、確かだ。そして「不平不満が多い理由」も、ちょっとだけ、わかってきた。 

趣味のすゝめ

趣味(ホビー)を仕事にするのは難しいが、趣味で得た経験は仕事に生かすことができる。

今から8年くらい前に、友人の誘いでラジコン飛行機に挑戦したことがある。どうせなら好きな戦闘機を飛ばそうと思い、F4U コルセアを模したラジコンを買った。これが地獄の始まりだった。運動性能が高く、安定性が低く、初心者にはピーキーすぎたのだ。毎朝、出勤前に草原に練習に出かけた。だが数秒飛んでは墜落の繰り返し。墜落=破損なので、毎晩の日課に修理が加わった。

photos.app.goo.gl

ある朝のこと。いつものとおりラジコンは墜落した。しかし、その日は水溜りに突っ込んでしまった。機体は復元できたものの、電装がショートして、うんともすんとも言わなくなった。やむなく新しい飛行機を注文して、ついでにPC上で動作するフライトシミュレータも購入した。事前に操縦訓練をしようと思ったのだ。

シミュレータでの訓練中、自分は、とり返しのつかないことに気づいてしまった。飛行機は、飛んでいったら、見えなくなってしまうのだ。いや、まぁ、当たり前のことなのだが。でも、スクリーン上の大空で、わずか数ピクセルで描かれる飛行機をみていたら、妙に白けてしまった。原研哉も驚くくらい、白けてしまった。

結局、これがラジコン飛行機へのストップロスオーダーとなった。以来、ラジコン飛行機には、ぴくりとも食指は動かない。とはいえ、ラジコン飛行機から学んだことは多いのだ。LiPoバッテリーの取り扱いや、ブラシレスモーターの制御、パワーウェイトレシオ、軽量で頑丈な構造や材質について、ラジコン飛行機に挑戦しなかったら学ぼうともしなかっただろう。その知識は、こうしたガジェットにも生かされた。

vimeo.com

趣味は経験を広げてくれる。旅行も同じくらい経験を広げてくれるのだが、コロナ禍の間は望むべくもない。だからこそ趣味に力を入れたい。今年度の趣味は、週に1本ブログを書くことだ。書くことを探して四苦八苦するだろうが、それが自分を広げてくれると確信している。

 

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自転車どろろ

寸暇を見つけては、折り畳み自転車の部品を交換している。購入してから5年目に入り、立て続けにいろんな不具合が出てきたからだ。変更履歴は下記の通り。部品の選定は、価格.comの自転車道場道場長のレビューを参考にしている。

2016年9月

2017年10月

2018年10月

2020年12月

2021年1月

特に効果があったのが、BB交換、ブレーキ交換、そしてチェーンの交換だ。パーツをシマノに替えるたび、自転車は失われた能力を取り戻していった。それはまるで、手塚治虫のどろろのようだ。