エモーショナルデザイン

出版直後に読んで,内容を忘れかけたので,読み返した.良いものは,人間の本能(的なもの)・行動(的なところ)・内省を満たしてくれる.良いものを生み出すには,プロトタイピングとユーザテストを迅速に螺旋的に繰り返せ,というのが本書の要点だと思う.とても無難なことを言っている.

プロトタイピングの前段階,コンセプトを導くまでの経緯は「デザイン思考の道具箱」や「インタラクションデザインの教科書」に詳しく書かれている.が,後者の本にも書かれている通り,調査からコンセプトの間には,しばしば奇跡と思えるような飛躍がある.ここが,ものづくりで一番最初のリスキーなところであり,要に思える.(次のリスクは実売時にやってくる)

ピンチはチャンスという発想でリスクを活かすか,もしくはリスクをヘッジする方向に舵をとるかは,デザイナや経営者のポリシーによるんだろう.僕は,このリスクが無くなったら,たぶんものづくりの楽しさが無くなると思う.リスク礼賛!