テレビ

朝7時に眼を覚ます。月曜に部屋を掃除してからというもの、デスクにMacBookを置くスペースができたので、RSSを読みながら朝食を摂る。久々に朝からテレビをつけて、BGMがわりに目覚ましテレビを流してみた。昔よりも大塚さんが真面目そうに見える。山口のホテルでCO中毒が発生したことを知る。そして芸能コーナーが始まる前に、僕は何となくスイッチを切った。テレビもまた時計がわりの存在なのだ。インターネットにタイムスケジュールは無い。情報の底なし沼だ。だらだらと時を過ごしがちなのも、そこに理由があるのだと思う。

図書館から催促のメールが届き、延滞していた図書を抱えて家を出る。借りていたのは『「おもしろい」のゲームデザイン—楽しいゲームを作る理論』。ゲームの深みの肝はパターンにあること、芸術と同様、人生においてゲームも有意義な存在になりうることを説いた本。出版社がオライリーだけに、内容に一癖あるけれど、なかなかの好著だと感じた。

ほどなくして大学に到着。図書館で本を返したついでに、読み続けているフランス小説の下巻を借りてきた。それとロシアの小説も何冊か借りてきた。これからしばらく就寝前は充実した読書の時間となりそうだ。

夜からは、後輩の作品の映像撮影を手伝った。VX2000をさわるのも久しぶりだが、実に手に馴染む。ボリュームとバランスが素晴らしく、各部の使い勝手も申し分ない。これの後継にあたるFX-1000を大学は導入してくれないものか。僕ですらそう思うのだから、映画/映像を天職と考える学生たちの心境やいかほどや。それとも、すでに更に良いカメラが使える環境を持っているのだろうか。

家へと帰る道すがら、ふと先日の大学院セミナーでしばしば耳にした「一発芸」という言葉を思い出した。僕はもちろんのこと、他の発表者においても「一発芸にならないように」という警句がたびたび教授陣から発せられた。確かに僕らがつくる個々の作品やアプリケーションには一発芸かもしれない。猫ひろしのギャグ百連発にも劣るかもしれない。でも、こう考えることで元気が出た。確かに僕らは一発芸的かもしれない。だが僕らは、その一発一発に、何かを為さんと渾身の力を込めて作っている。それが災いして一発芸的に見えてしまうだけだ、と。