二十八

朝6時に眼を覚まし、朝食のレーズンバターロールを摂り、今日もまたテレビを眺める。テレビ朝日でやっていた戦隊ものが存外に面白く、最後まで見入ってしまう。昔ながらのチープさは否めないものの、暴走族にも似た、一種の様式美的な感慨を抱く。調べてみると、東映スーパー戦隊シリーズは、これで33作目になるのだとか。1つのドラマのフォーマットで、ここまで長く持たせられるとは。

Amazonで注文した商品を受けとる関係で、今日は終日、自室で作業をしていた。英文でメールを返し、Max/MSPでパッチを組み、ときどきSim City 3000をやって気分転換しながら、平和な湘南の日曜を過ごした。ベランダで沈香を焚き、煙を潮風に重ねると、大学では得難い安息に満たされる。うん。いい。

お昼を食べに近所のラーメン屋へ行き、その待ち時間で兵藤二十八の古い本を読んだ。カバーはもちろん裏返し。「地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法」なんて本を白昼堂々と町中で読んでいては、ラーメンを美味しく味わえないから。氏の本は、軍事マニアでは無い僕すらを魅了する、ロジカルな痛快さがある。シンプルで根源的な発想をつきつめていくうちに、ラディカルで究極的な結論にたどりついてしまうのだから。

夕方にAmazonから商品が届き、さらに作業を進め、気がづいたら23時を超えていた。上の部屋から缶ビールを開ける「プシュッ」という音が聞こえてきたから、僕もビールを飲むことにしよう。明日からまた一週間が始まる。慌ただしくなるかもしれないが、少しでも暇をつくって、工作を進めて行こう。