アイロンの功罪

あいにく出典が思い出せないんだけど、ずいぶん前に、こんな話を聞いたか読んだかした。

電気アイロンが発明されるまで、人々はただ、洗いざらしのシャツを着ていればよかった。だけど電気アイロンが発明されてしまったせいで、僕らは毎朝、シャツをパリっとさせなきゃいけなくなった。お風呂だってそうだ。電気湯沸かし器が無い時代なら、ちょっとやそっとの体臭なんて人は気にしなかった。でも電気湯沸かし器が発明されてしまったせいで、僕らは毎日、風呂に入らないと気持ち悪くなるようになってしまった。しかも風呂掃除もしなきゃいけなくなった。

こうしたことは、デザインやエンジニアリングの界隈で、今後何度でも起こることだと思う。豊かな暮らしを作るためのものが、まわりまわって生活の手間を増やし、余暇を奪ってしまう。そうした現象があることを、未来を担う立場の人は気を払う必要があると思うんですが、どうでしょう。御社の焼畑ビジネスを阻害しますかね?