死への距離

もうすぐ子供が一歳になる。生まれたての頃は余りに小さく、命も儚げに見え、寝息も立てずに寝ていると、死んでしまったのではないかと不安にもなったが、ありがたいことにスクスクと成長し、誰に似たのか寝相も悪く、昨晩も父の背中を蹴飛ばしながら、何食わぬ顔で熟睡していた。今にして振り返ってみると、誕生の瞬間から生命力と余命に溢れていたのは子供のほうで、死に近いのは圧倒的に自分である。保護者になると傲慢になって、事実が見えなくなってしまうのだろう。親がなくとも子は育つ。この格言を胸に、謙虚に子育てをしたい。