古い作品を作り直している。当時は3Dプリンタやレーザーカッターへのアクセスが十分にできず、制作費も乏しかったので、そのぶん知恵を凝らしてやっていた。犠牲になったのは作品の耐久性や完成度で、今はそのツケを払っている感じがする。成長した技能と、進歩した部品で作り直すのだから、面倒だけど退屈ではない。

子供の影響で、空前の宮崎駿ブームがきている。何年経っても、何度見ても、時代を超えても、ジブリのアニメは面白い。マスターピースとか、クラシックとかいうのは、こういうのを指すんだと思う。自分も廃れない仕事をしたい。何度でも蘇る仕事がしたい。

廃れる仕事というは、つまるところ技術に頼る仕事なのだ。新古今和歌集だ。芸術のための芸術。研究のための研究。今、誰のために作るのか。それを忘れたところに、廃れる仕事はあるのだろう。万葉集のように根っこにある仕事、何度でも蘇る仕事がしたい。