ミニ単駆

子供の頃、僕はミニ四駆が好きだった。僕だけじゃない、みんなが好きだった。だけどいつも走らせる場所に往生していた。部屋で走らせるには早過ぎるし、まっすぐにしか進まないし、壁にぶつかったら止まっちゃうから、結局、コースがないとろくに遊べなかった。でもコースがあるのは金持ちの子の家で、当然金持ちの子は潤沢にカスタムパーツを持ってるから、いくらやっても勝てなかった。つまるところタミヤに貢いだもんが勝つ。そう気づいたとき、僕はひとつ大人になった気がする。あれから20余年がたって、僕は大人もといオッサンになり、今はそうじゃないミニ四駆、ミニ単駆をつくってます。