2017年に買って良かったもの

田中さんに影響されて、僕も昨年買って良かったものをリストすることにした。

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吉永サダムのスープカップ

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3月に九州を旅行して、唐津焼や有田焼、伊万里焼に波佐見焼をいくつか買った。そのうち、もっとも使用頻度が高いのは紙皿風の波佐見焼だが、愛着を持って使っているのは吉永サダムのスープカップ。素朴な風合いと、たっぷりした姿が好きだ。蕎麦猪口なので仕様頻度は少ないものの、中里太亀の陶器もテクスチャーが好みで愛用している。

 

南部鉄器の鍋敷き

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常夏のシンガポールに暮らしているのに、我が家はかなりの頻度で鍋をする。二人暮らしなので、台所で一気に煮た後、そのまま食卓に鍋を置くことも多い。なので8月に東北を旅行した際に、南部鉄器の鍋敷きを買った。以来、使ってない時も、ずっと食卓に鎮座している。それがアクセントになって、なんかいい。

 

フンドーキンの味噌

2016年の春に湯布院温泉へ行き、そこで食べた「だんご汁」がとても美味しかったので、以来我が家は大分の味噌のファンになった。フンドーキンは大分の調味料メーカーで、全国的には柚子胡椒で有名だと思う。そこの味噌を、先述の九州旅行の折に買ってみた。これが最高に美味かった。いくつか種類を試して見たけど、どれを選んでも間違いなかった。都内ならスーパーにも売っていると思う。

現在、我が家は赤味噌は愛知の八丁味噌、合わせは大分のフンドーキン、あとは旅の気まぐれや、安さにつられて買った味噌をストックしている。

 

立体型アイマス

昔はいくらでも飛行機で寝れたのに、最近はうまく眠れない。原因はいくつか考えられて、ひとつは搭乗前の飲酒。寝つきをよくするために敢えて飲んでいたのだが、かえって睡眠が深く短くなってしまい、ゆっくり寝て過ごすことができない。もうひとつは機内の照明と座席スクリーンの光だ。

そこで事前の飲酒をやめ、航空会社が配布するアイマスクを大人しく使うようにしたところ、だいぶ良く眠れるようになった。しかし自分の頭は大きく、顔の彫りも浅いため、普通のアイマスクでは眼球が圧迫されてしまう。そのため起床後は半日くらい違和感が残って不愉快だった。

そんなわけで、上記のアイマスクを買った。これの長所は、目と鼻の周りが膨らんでおり、さらにベルトの長さが調節できるため、圧迫しないで密着できるところだ。このアイマスクを装着したうえで、飛行機で寝るときは使い捨てのマスクで口と鼻を、パーカーのフードで耳をガードしている。すると熟睡できうえ、風邪ももらわない。はたからみれば怪しすぎる風貌で、着陸後は寝癖に困らされるが、機内での睡眠に不安を持っている人にはオススメしたいコンビネーションだ。

 

ミニスーファミ 

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2016年にファミコン版を買い逃したので、スーファミ版は必死になって買った。ファミコンのゲームは難易度や操作感が洗練されてなくて、今から遊ぶと流石に辛いところがある。だけどスーファミは今でも十分楽しめる。25年前のゲームだというのに、これは異常だ。「がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス」や「バトルドッヂボール」、あとは「ロマサガ2」なんかが入っていたら、個人的には完璧だった。メガドライブミニも出て欲しい。

 

三ヶ島の自転車ペダル

2016年の初秋に自転車を買い、しばらく快適に使ってきたのだが、 1年を過ぎたあたりでペダリング中に異音がするようになった。何度か自転車屋に通って、最終的にはカップ&コーンのグリスアップで治ったのだけど、問題発見の過程で三ヶ島製のペダルに変えた。決して高くないのに、吊るしの自転車についてきたペダルに比べて、格段に軽く回って感動した。自転車は回転する部品の摩擦を減らしてくことが大事なんだなと教えてくれた一品。

 

イボ取りジェル

いつ頃からか顔にイボができるようになった。自分は容貌に無頓着だから、はっきりとした時期を覚えていない。それが最近になって、髭を剃ったり、メガネをかけたりするときに邪魔だなぁと思い始め、自力でとることにした。最初は絆創膏や液体のイボコロリを使ってみたのだけど、場所が場所だから定着が悪い。そこで見つけたのが、ジェル状のイボ取りだ。これを塗布すると、毎日わずかにイボの皮がめくれていく。数ヶ月使って、小鼻のイボはかなり小さくなったし、鼻筋のイボも半分くらいになった。これで正しい位置でメガネがかけられる。

注意すべきは、この薬剤は揮発しやすいので、冷蔵庫にしまう必要がある点だ。そしてなにより、顔への使用が禁止されている点は強調しておきたい。

原点へ

今年は努力が空回りすることが多く、なんだか歯がゆい一年だった。その一方で、人の縁には恵まれていた。とりわけ首都大の馬場さん、札幌市大の藤木さんにお会いできたのは嬉しかった。

自分が学生の頃に影響を受けたのは、研究室の先輩だった植木さんと徳久さんの後ろ姿、田所さんや久世さん、堀尾さんといった先駆者がアップロードしていたWEB教材、メディア芸術祭で見たクワクボリョウタさんのデジタルガジェット6,8,9、そして当時の九州芸工大で活躍されていた藤木さんと馬場さんの作品だった。

馬場さんのフレクトリックドラムスは、単に楽器やガジェットとして洗練されているだけでなく、座の遊び、和を作るメディアとして、強烈な衝撃を受けた。

藤木さんは、ゲーム的な表現方法を利用しつつ、超主観的な世界を構築しようとするアティチュードがかっこいいし、なにより作り込まれてて遊んで楽しい。

藤木さんも馬場さんも自前で技術と表現を作っている。だからか、ひとまとまりの経験としてのデザインが優れている。「文章做到極処、無有他奇。只是恰好」という洪自誠の言葉があるけど、まさにそれが当てはまる。そこが同時代に登場した技術デモ的な作品とは一線を画して美しかった。しかも作品が商品というかたちで世にも出ている。だからこそ、僕は彼らに憧れる。

そんな尊敬する馬場さんと藤木さんに、今年は夏と冬のSIGGRAPHで会うことができた。短い時間だったけど、考えていることを交換することができて、感動したし元気がでた。

アキレスと亀かもしれないけれど、やっぱり懲りずに自分で考え、手を動かしてきて良かったと思う。道はいよいよ狭い。同年代の友人たち、とくに日本人を含むアジア人は、歳を経るごとに後衛に回って寂しくもある。それでも前線に立つことで生まれる縁があるから、人生は喜ばしい。

今年も仕事納めまで残り2週間。やれることをやり尽くして、来年も作って楽しもう。

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バゲットの進捗

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今年の春から、週末になるたびバゲットを焼いている。藤森二郎さんのレシピ本を参考にアレンジを加えたら、だいぶ安定して好みのバゲットを焼けるようになった。最近は、次の分量・次の工程でバゲットを焼いている。

分量(3本分)

  • 小麦粉 375g
  • 水 230g
  • 塩 7g
  • 砂糖 6g
  • イースト 3g

工程

  1. 水以外の材料をボウルにいれて、よくヘラで混ぜる。
  2. 少しずつ水を入れながら、ニーダー付きのハンドミキサーで混ぜ合わせる。
  3. 生地に水が染みこんだら、手で捏ねて、ひとまとまりの生地にする。
  4. 生地がボソボソしていたら、再度ニーダー付きのミキサーで捏ねる。
  5. 生地が均質になって、肌理が整ってきたら、丸めてボウルにいれ、ラップして冷蔵庫に入れ、一晩放置。ここまで、寝る前にやっておく。
  6. 翌朝、生地を3等分する。およそ600gの生地ができてるので、200gずつスキッパーで分ける。
  7. 分割した生地を、枕型に整形して20分のベンチタイム。
  8. 休ませた生地を、細長の円筒状に整形して60分の二次発酵。この段階で、余った打ち粉を化粧粉としてふりかけてしまう。下の写真は、二次発酵後にクープを入れた段階のもの。
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  9. 二次発酵が45-50分終わった段階で、オーブンの予熱を始める。焼き上がりまで250度をキープ。我が家のガスオーブンにはスチームがないので、下段に熱湯を張ったバットを置いている。鉄板もあらかじめ入れておく。
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  10. 二次発酵が終わったら、カミソリでクープを入れ、鉄板にのせて焼き始める。カミソリは、ダイソーなんかで売っている薄刃の両刃カミソリがいい。
  11. 250度のまま25分焼く。我が家のオーブンは、熱源が下にあり、上面が焼けにくい。なので焼き始めから12分で、パン生地を軍手でつかみ、天地を返している。
  12. 焼き上がり。上の写真のような状態になる。ここまで起床から2時間弱。うまい。

なにはともあれ、まずは藤森さんの本を読んだほうがいいと思う。Amazon プライム会員ならただで読める。おすすめだ。

ちなみに本書によれば、僕が作っているバゲットは太短いのでバタールだ。長細いフランスパンをバゲットと呼ぶらしい。