日曜は朝6時に起床。曇りがちの晴れ。やや蒸し暑い。コーヒーを飲み、シャワーを浴び、真新しいスーツを着て、8時の電車で広尾へ向かう。従妹の結婚式があるのだ。駅までの道でかいた汗も、空調の効いた車内で引いていく。9時ごろ広尾に到着。駅前のジョナサンで朝食を食べつつ、弟と合流する。式場では、すでに親族が集結していた。みんな元気そうで、こちらも嬉しくなる。ただ祖父が杖をつくようになったのが心配だ。次の9月で86歳になるらしい。無事に米寿が祝えるよう、なにか滋養のつくものでも贈りたい。
いやはや良い結婚式だった。ゴッドファーザーの冒頭ではないが、人々が集まり、笑い、喜び、祝福する、その一部始終には、ドラマチックではないドラマがある。表情や仕草の機微から、人間性が垣間見えてくる。そんな風景をファインダーごしに眺めて僕は、この結婚式が人の温もりで満ちていることを知った。
また神父の言葉が良かった。人は誰しも自分には寛容である。それと同じだけの寛容さを相手にもちなさい。これは素晴らしい寛容の解釈だ。明快で、具体的で、かつ深みがある。宗教家を前にハッとしたのは、これが初めてかもしれない。いにしえの宗教は山河のように、政治や経済のシステムがいくら変化しようとも、脈々と受け継がれている。それはきっとシステムが抱擁しない人間の心を、宗教は直に抱きしめてくれるからだろう。
式を終え、家に帰ると、不自然なまでに疲れていることに気づく。喉を潤そうとビールを飲んだら、もうろうとしてきた。ろくに考えることもできない状態だったから、日記はサボって寝た。
月曜。今日も朝6時に眼を覚ます。パンを食べ、シャワーを浴び、昼前に大学へおもむく。ペルー行きの航空券の手配や、調達した資材の確認、足りない材料のピックアップなどをして、家に帰る。帰宅後は、夏らしい料理にしようと思って、精力のつくカレーを作った。なんとなくフードプロセッサでタマネギとジャガイモを粉砕して投入したところ、妙にザラつくカレーになった。失敗したかと思いつつカレーを御飯にかけると激烈美味い。微塵と化した野菜が御飯の粒にまとわりついて、ひき肉でカレーを作ったときのような美味さが出ていた。これは驚き。