見つけることと集めること

brutus.jp

学生たちと「ハーブ&ドロシー」を見た。現代アートの一大コレクションを築き上げた庶民の夫婦のドキュメンタリーだ。そのことを妻に話したら「前に一緒に見た、推し活の話でしょ」と返されて、思わず唸ってしまった。そしてそのおかげで、今回改めて見返してみて、現代的な推し活と、ハーブ&ドロシーの蒐集の、違いに気づかされた。

ハーブ&ドロシーは、アーティストから直接作品を購入する。そもそも値段がない作家や作品ばかりを対象にする。ギャラリーやオークションは通さない。そして購入した作品を惜しみなく公立の美術館に寄付してしまう。つまり売られていないものを買い、買ったものはを売られないようにする。そこが心を打つ。