アル中じゃなくても、味醂は呑みたい

学生の頃、調味料はシャンプーやトイレットペーパーと同等だった。好んで買うというより、無いと困るから買うもので、いつもスーパーの特売品で間に合わせていた。料理の味付けは、決まって塩と胡椒、そして砂糖と醤油だった。これに麺つゆと味噌が加わることもあったが、ついぞ味醂は買うことが無かった。自分の家に味醂が置かれるようになったのは、シンガポールに渡り、妻と暮らすようになってからだ。だが、自分は味醂を使って料理をすることはなかった。こだわって買ったこともない。それからしばらくして、僕らはシンガポールを離れ、日本へと帰ることになった。新たな門出を祝って、友人が良い味醂を贈ってくれた。この味醂が美味しくて、僕ら家族は、皆やられてしまった。

特に威力を感じたのが、非加熱の調理だった。スーパーで安く売ってるビンチョウマグロも、醤油と味醂の1:1で漬け丼にすると、中トロより美味しくなってしまった。

その後、普通の本みりんに戻ることになったのだが、一度舌が肥えると、どうにも物足らない。それに世の中には、もっと美味しい味醂があるらしい。こうして我々は、本格味醂の世界へと足を踏み入れることになった。

本格味醂は、米と米麹を米焼酎内で発酵させて作るものを指す。米と麹で甘酒を作ったことのある人なら、製法に大体の察しがつくんじゃないだろうか。現在我が家にストックしているのは、愛知の三河みりんと、岐阜の福来純だ。どちらも素晴らしく美味しいが、三河みりんには甘み、福来純は香り、といった個性がある。

本格味醂を使うと砂糖を使わなくなるとは友人の言、奥行きが出るとは妻の言だが、どちらも特徴を言い当てていると思う。わかりやすい甘さでマスキングすることなく、長く続く旨さで引き立ててくれる。しかも、そのまま飲んでも美味しい。昔は本格味醂を正月のお屠蘇に使っていたらしい。本直しと呼ぶ飲み方もある。これは味醂を焼酎で割って飲むやつで、寝酒にいける。

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本格味醂は、調味料にしては著しく高い。だが酒だと思えば普通だし、探せば安く売ってる店もある。騙されたと思って、試して感動して欲しい。

事務能力の低い人間の働き方改革 (モノが少ないと快適に働ける)

新しい勤務先では、文具ウェブマガジン pen-infoの土橋さんが書いた「モノが少ないと快適に働ける」を参考に、まずは個人用の作業場を作っていくことにした。

大きめの机を使う。机の上には物は置かない。死蔵品を溜めてしまう引き出しもなくす。働き始めの3ヶ月は色々忙しかったけど、少しずつ進めていって、最近ようやく目処がたった。

文具入れ

あいかわらず使い勝手が良いのは、カール事務器のマルチスタンドだ。最低限の筆記具と、ハサミ、付箋、ホッチキスだけを入れている。机に引き出しがなくても十分使える。

参考: カール事務器 ツールスタンド

 

書類入れ

書類の整理はハンギングスタンドとハンギングフォルダにした。日本の組織は未だに紙書類がおおい。しばらく保管しなければならないものは、適当に仕分けして卓上のフォルダに投げ込んでいる。

参考: 現在進行中の案件の書類整理に | 文具ウェブマガジン pen-info

 

工具収納

工具類の収納は、インターネットの知恵を借りて、透明なプラスチックコンテナを使うことにした。自分は大きな部品が多いので、アステージの#13と#25、PS-400を使うことにした。

rabbit-note.com

miso-engine.hatenablog.com

playing-engineer.com

 

ラベルライター

自分は悪筆なので、なにかにつけてラベルライターを利用することにした。予算を抑えるために選んだブラザーのP-Touchは、バッテリー駆動のうえ、選べるフォントがまともでいい。解像度は高くないが、凝視するわけでもないから気にならない。

仕事部屋づくりは、「なんか落ち着かないな〜」とか「あれ、どこやったけな〜」みたいな、くだらない悩みのない環境を作っていくいくことだと思う。これからも少しずつ手を入れて、いい環境を作っていきたい。

水筒があれば自販機はいらない (キャプテンスタッグ HDボトル1000)

シンガポールと比べて、日本は物にあふれている。日本で物を買うのは、河原でお気に入りの石を見つけるようなもので、楽しいというより、難しいものだ。みな大なり小なり、物を選ぶことにストレスを感じているに違いない。だからこそ、一人がみつけた正解や失敗は、仲間と共有したほうがいい。そういうわけで、これからしばらく、購買の記録を書いていきたい。

春から埼玉の大学で働いている。大学の教員は、実に喉の乾く仕事だ。授業が終わると、ついつい缶コーヒーを買いたくなってしまう。それが不経済に思えて、先月から水筒を職場に持参するようになった。最初は500ccのアルミ水筒を使っていたが、結露がでるうえ保冷もできず、容量はまったく足りなかった。

解決策を求めて、東急ハンズへ行った。どうやら容量の大きい水筒は、コップに注いで飲むものしかないようだ。それではだめだ。授業の最中こそ、喉は渇くのだから。いつなんどきでも、ボトルに口をつけて、グビグビとやりたい。

こうして見つけたのが、キャプテンスタッグの水筒だった。容量は1リットル。ステンレスの中空ボトルだから、結露はできないし、しっかり保冷もできる。出勤時にいれた水が、退勤時まで冷たいくらいだ。つまり一日分の水を運ぶことができる。

容量が大きいぶん、体積は小さくない。長さが30cm、直径は8cm以上ある。だからバックパックのサイドポケットに入れるのは難しい。それでも気密性が高く、液漏れの心配はないから、他の荷物と一緒にメインの荷室に入れてしまえばいい。自分は、キャップの取っ手を指にぶら下げて運ぶこともある。

構造が単純な分、洗うのも楽だ。ボトルの口を軽く洗い、中は水ですすぐだけで済む。毎日使うものだから、手間のいらなさは特に嬉しい。

単純で優秀なものは、応用が効く。容量があって、保温にも優れているから、米と米麹で甘酒を作ることもできる。口が広いから、スロークッカーとしても利用できるだろう。

この水筒を使って、一ヶ月が過ぎた。今の所、満足しか無い。希望小売価格は6,000円だが、通販サイトだと2,000円前後で売っている。中に入れる水だって、スーパーの浄水器で汲めば美味しくてタダだ。ペットボトルの水を買うと思えば、もう十分元は取れた気がする。