去年の夏に、初めて車を買った。コロナ禍になって、子供が生まれて、車がないとやってられない状況が増えたからだ。車は高い買い物だったけど、買うこと自体の敷居も高かった。カタログをPDFで配布しているメーカーは稀だし、ディーラーは車がないと行けない場所にある。本体価格は乗り出し価格ではない(1〜2割増しになる)。営業攻勢がすごいので連絡先を渡すのも躊躇する。謎の値引き。謎の手数料。即納されない。などなど。初体験で面食らうことが多く、去年の今頃は「育児+仕事+車探し」でナーバスになっていた。
車に関する情報は世の中に溢れていて、眺めている分にはそこそこ楽しい。だけど車好きの嗜好や生活感覚が自分と程遠くて、購買の参考にはならなかった。車のために生きる。車と共に生きる。それはそれで結構ですが、自分にとって車はそこまでのものではない。
唯一頼りになったのはのCore 77に連載されていたA Designer Buying a Carという記事だ。そこでは自分と似たような人が、悩みながら車を買っていく様子が描かれていた。
そうか、こうやって車を選べばいいのか。こうして自分は中古のステーションワゴンを買うにいたった。ちょっと前に深澤直人のふつうという本を読んだんだけど、そこで書かれた普通の良さを、買った車には感じている。