学問の自由

f:id:exyk:20210406131515j:plain

教員として働き始めて、この春で3年目になる。初年度は授業準備で、次年度は遠隔対応などで苦しんだから、今年はちょっとだけ、余裕を感じている。

ところで、研究所で働いていたころ「教員なんかなるもんじゃないよ。教員になったら、やりたいことやれないよ」という話を、日本の教員たちからよく聞いた。でも、実際のところ、そんなことはなかったと思う。前職では「やりたいことをやらせてもらえない」ことや、「やりたくないことをやらされる」こともあった。研究員は研究予算で雇用されるため、出資者や予算執行者の意向に沿って研究しないといけない。シンガポールのように小さく強い国だと、その傾向が尚更強かった。一方、教員は違う。職責を果たせば、自分の裁量で研究ができる。研究の質が問われることはあっても、研究の内容や方法に制約は受けない。自由な時間は減ったかもしれないが、学問の自由が確保されている。

自分で確かめないと、真実はわからないものだ。今のところ「教員になってもやりたいことはやれる」こと、そして「日本の教員は不平不満が多い」ことは、確かだ。そして「不平不満が多い理由」も、ちょっとだけ、わかってきた。