妻に勧められて中室牧子の学力の経済学を読んだ。1ヶ月くらい前に読んだのでだいぶうろ覚えだが、「子供は〜すべき」という常識に囚われず、大人と同じ待遇をしたほうが良い成長が見込める、という論旨だったと思う。むしろ鮮烈に記憶に残っているのは、次の記述だった。
著者は慶應SFC(湘南藤沢キャンパス)の教員なのだが、彼女の授業をうけている学生は課題前になるとバタバタと祖母が死ぬらしい。自分がSFCに在学していた2000年代には、こうした(わかりやすい)嘘をつく学生はいなかったと思う*1。自分は教員として働き始めて4年目になるけど、いまだこういう学生には出くわしていない。
著者がSFCで働き始めたのは2013年。ちょうどその頃のSFCは、立て続けに教員の不祥事が起こっていた*2。そういう時代だったからこそ、学生も嘘をつくのが平気になってしまっていたのかもしれない*3。だとすれば「子は親の背中を見て育つ」というクリシェは、今でも有効なのだろう。