原点へ

今年は努力が空回りすることが多く、なんだか歯がゆい一年だった。その一方で、人の縁には恵まれていた。とりわけ首都大の馬場さん、札幌市大の藤木さんにお会いできたのは嬉しかった。 自分が学生の頃に影響を受けたのは、研究室の先輩だった植木さんと徳久…

バゲットの進捗

今年の春から、週末になるたびバゲット(形状からしてバタールと呼ぶのが正式らしい)を焼いている。藤森二郎さんのレシピ本を参考にアレンジを加えたら、だいぶ安定して好みのバゲットを焼けるようになった。最近は、次の分量・次の工程でバゲットを焼いてい…

橋と箸

びっくりした。 余暇を使って東京ミッドタウンアワード2017のデザイン部門に応募していたのだが、今回の入賞作と、自分たちの提出案が、かなり接近していたのだ。 テーマは東京だった。あいにく自分は東京に住んだことがない。東京へ行くためには、幾つも橋…

修士のころ

研究所で勤務していると、普段はあまり学生との接点がない。学会や展示などにでかけて、ようやく彼らと話す機会がある。自分はもう36歳なので、修士の学生とも干支で一回り以上も違う。自分の研究や作品を堂々と発表する彼らを見ると、エネルギッシュだなぁ…

創作のための道具は、なるべく所有したい

創作のための道具は、なるべく自分で所有したい。何故なら、何かを作る時に、誰かの許可を得たり、手続きを踏んだり、気を遣ったりするのは、創作の楽しさをスポイルするからだ。 一昔前の3Dプリンタは、大昔のコンピューターと同じだった。しばしば資金力の…

シンガポールのスーパー銭湯で元気になった

春から夏にかけて精力的に活動したら、お盆あたりでヘトヘトになった。はやいとこ調子を戻したいなぁと考えて、思いついたのがサウナだった。というのも、著名なニートが書いた「ひきこもらない」という本に、サウナの良さが力説されていたからだ。 年中ダル…

Maker Faire Singapore 2017

週末に開催されたSingaproe Maker Faireに「もじげん」を出展した。シンガポールのMaker Faireには、初回から毎年欠かさず足を運んでいる。うち出展したのは2012年・2014年・2017年の3回、妻の出展に加勢した2016年を含めれば4回だ。 Singapore Maker Faire…

岐阜のこと

今年の三月に帰国した折、実家の岐阜で運転免許を更新した。前回までは三田洞という岐阜市の北の果てにある運転免許試験場まで行かなければならなかったけど、今回からは中心地から遠くない「ぎふ清流文化プラザ」で済ませられるようになった。 清流文化プラ…

バゲット作りにハマる

3週間くらい前から、バゲットを焼くのにハマっている。そもそも僕は、バゲットが好きだ。欧米に行くと、メインディッシュの前に出されるパンで、つい腹をいっぱいにしてしまう。その一方で、僕は長い間、バゲットは家庭で焼けないもの、と思い込んできた。し…

ステラークは笑う

5月20日から、マリーナベイサンズ併設のアートサイエンスミュージアムでHuman+という展示が始まった。その関連イベントでステラーク(Stelarc)の講演があったので、友人たちと行ってきた。 ステラークを知ったのは、ちょうど10年くらい前のことだ。出展したイ…

子分と舎弟の違い

久々にKindle Unlimitedに登録したら、Twitterで人気の登場人物全員ゴルゴのヤクザ漫画・日本極道史があったので読み始めた。 初期は噂通りのゴルゴっぷりで、組長も若頭も殺し屋も髪型以外は全員同じ。前後のコマをチェックしないと、誰が誰だかわからなく…

ブキバト「ブキティマがやられたようだな」

シンガポールの地下鉄の駅名は他言語が混在していて面白い。中国語もマレー語もタミル語も話せないから、電車のアナウンスを聞くたびゲームとかアニメの世界にいるような気分になって妄想が膨らむ。そんなわけで今日は脳内の民明書房に収録されている語彙の…

世界の中心がロンドンであり続ける理由

今年の夏にロサンゼルスへ行くことになった。現地での仕事は楽しみだけど、あの横柄なアメリカの入国審査と、シンガポールからLAまでの旅路を想像すると、今から気が滅入ってくる。 シンガポールからアメリカへ行くには、東アジア(東京・北京・ソウル・台北…

ひとくちに研究職といっても、4つくらいの職分がある

久々に西堀栄三郎の「忍術でもええで」を読んだら、(自然)科学的なアプローチばかりが研究じゃないんだぞ、と大いに励まされる表に再会したので、改めてエクセルで書き写した*1。各項目の詳細については、ぜひ原著を読んでもらいたい。約40年前の本とはいえ…

問題がなくても問題ない

僕は電子遊具(ガジェット)を作っている。なので、見て、触って、面白い!と感じられるものが作りたい。ジャンルとしてはエンターテイメントで、テレビ番組やアニメ、漫画やゲームなんかと近いものを作ってる認識だ。 新しいガジェットを作るときは、これまで…

レクサスは、まぁあかん

10月の初旬に、ちょっとしたガジェットのアイデアが思いついた。たまたまレクサスのデザインコンペ「Lexus Design Award 2017」の締切が1週間後だったので、ハッカソン的な勢いでプロトタイプを作って、応募することにした。審査員に伊東豊雄氏がいること(お…

未来の飯は、今より絶対に美味い

週末に実写版の攻殻機動隊を見た。酷評する友人も多いけど、僕はけっこう楽しめた。押井版・攻殻機動隊の腑に落ちなさが減って、初見にも優しい素直な映画になったと思う(そのせいでロボコップぽくなったけど)。劇伴音楽は抑制が効いてて特にカッコよかった…

レーザーカッターのこと

昨年から職場のレーザーカッターの調子が良くない。そこで物は試しにシンガポールのMaker Spaceまでアクリルを切りにいった。もじげんの先端部分のアクリル板(5mm厚・8本分)を切り出すのに、1時間・100Sドルくらいかかった。 この価格だと、決して気軽に使え…

一撃

好きなものは繋がっている。「へうげもの」がきっかけで陶芸が好きになり、茶碗を見に出光美術館へ行ったら仙厓の絵が好きになり、仙厓の絵を見に府中美術館へ行ったのが、4年前の今日だ。 今週、久々に仙厓を主人公にした歴史小説を読み返したら、「一撃忘…

人生ゲーム

子供の頃は、凄い人や、偉い人と同じ視点に立てたらいいな、と思う事が多かった。努めてそうしていた気もする。まるで山を登るような気分だった。山頂を目指すこと、多くの山に登ることが素晴らしいと思っていた。山にいるだけで、なんか楽しかった。そして…

烏賊のゾートロープ

新しいカメラが欲しい。そう思っていたら、友人が愛用していたCanonのEOS 5D Mk2を譲ってくれることになった。ありがたいことだ。8年の使用に耐え、チェルノブイリにすら行ったらしいそのカメラは、其処此処に古傷があって、自慢できるくらい貫禄がある。機…

意識から消えないもの

僕は遊具ばかりを作って、あまり道具は作らない。道具のデザイナーは、使い手の意識から消えるのが良い道具、みたいなことを時々言う。とりわけデジタルよりのデザイナーに顕著だと思う*1。 遊具の場合はどうだろう。例えばけん玉で遊んでいて、けん玉を意識…

器官と時間

ここ数年のゲーム開発者との協働によって得たものの1つが、ゲームデザイナーへの正しい理解だ。僕は長い間、ゲームデザイナー=ゲーム中のグラフィックやサウンドをデザインする人、と勘違いしていた。実はそれはゲームアーティストの仕事だった。ゲームデザ…

カメラ熱

カメラ熱という恐ろしい病気がある。アジア圏の成人男性に多く見られる恐ろしい風土病だ。発見から既に150年以上も経過しているが、いまだ治療法が確立されていない。一度発症すると生涯にわたって患うため、家計によっては難病に指定されている。現時点では…

麦から育てる

大学2年生のときにCGを専門とする研究室の門を叩いた。CGアニメとかVFXとかゲームとかが勉強できるのかな。そんな気持ちで入ったら、ぜんぜん違ってびっくりした。ラーメン屋に修行にいったつもりが、製麺所をとおりこして農家だった。それくらい違ったと思…

徳の外需と内需

昨年度までシンガポールで一緒に働いていた安さんのブログが面白い。安さんはSNSで街宣活動に励むタイプの人じゃない。だからこそ安さんが何を考えているのか、むしろ気になる。そんなわけで彼がブログを始めて以来、毎週更新を楽しみにしている。 最近の記…

LSPX-S1

昨年末に変わったスピーカーをもらった。ランタンを模した、バッテリー内蔵のBluetoothスピーカーだ。そろそろ使って2ヶ月になるから、気になったこと、気づいたことを書いておこうと思う。 長所 上質。よくあるBluetoothスピーカーは、音楽を聴かせるために…

作り続けよう

年々「これからも作り続けてください」と言われることが増えてきた。少し前まで「言われんでも作るわい」と思っていたんだけど、35歳ともなると、そうやって声をかけてもらえる有難さに気づけるようになった。 それはスポーツの応援に似ている。 それは指導…

あけましておめでとうございます

年末年始に日本へ帰った。去年はベトナムで年を越したので、2年ぶりだ。そしたら僕と妻の両方の実家からご馳走ぜめにあってしまい、夫婦ともに4kgずつ太った。「実家に帰って痩せるよりいいじゃない」とは母の言だが、家族が増え、幸せも増えたから、体重も…

好きになるということ

月の初めに休暇を貰って、新婚旅行に出かけた。行き先はイタリア。西洋の奈良・京都だ。文化と歴史を守る偉大な国だから、10年前に行こうが、10年後に行こうが、それこそ100年後だろうが、そこにある感動に変化はないと思う。変わるのは、いつだって感動する…